婚活を始めて3年、多くの方々の経験を見聞きしてきた私が、安全な婚活のために知っておくべき情報をお伝えします。この記事では、増加する婚活詐欺の実態から、具体的な予防法、そして万が一の対処法までを詳しくご紹介します。
1. 婚活詐欺の現状と深刻化する被害
なぜ今、婚活詐欺が急増しているのか
「もしかして、この人...」
婚活をしていると、誰もが一度は相手の素性を疑う瞬間があるのではないでしょうか。特に近年、婚活市場は4,000億円規模にまで拡大し、それに比例するように婚活詐欺の被害も増加の一途をたどっています。
警察庁の統計によると、昨年の婚活詐欺による被害総額は前年比30%増の約42億円。この数字を見て私は愕然としました。これは氷山の一角で、報告されていない被害はもっと多いはずです。
なぜここまで被害が増えているのでしょうか。大きく3つの背景があります。

特にSNSの影響は大きいと感じています。誰もが気軽に理想の自分を演出できる時代。その分、本当の姿を見抜くのが難しくなっているのです。
狙われやすい人の特徴とは
婚活詐欺のターゲットには、実は共通する特徴があります。統計によると、被害者の8割が30代以上なのだそう。私の周りでも、以下のような方が狙われやすい傾向にありました:
- 仕事が忙しく、じっくりと相手を見極める時間が取れない方
- 結婚への焦りから、相手の言葉を鵜呑みにしてしまう方
- 経済的に余裕があり、困っている人を助けたいと考える方
特に気をつけていただきたいのは、「私は大丈夫」という過信です。実は、社会的地位が高く、しっかりとした考えを持つ方ほど被害に遭いやすい傾向があるのです。
2. 婚活詐欺の最新手口と特徴
ここからは、私が実際に見聞きしてきた最新の手口をご紹介します。手口を知ることは、自分を守る第一歩。決して他人事ではないという意識を持って、じっくりと読んでいただければと思います。
最新の手口トレンド
▼ 投資詐欺型 最近特に目立つのが、投資詐欺と組み合わさった手口です。典型的なパターンは、最初は普通のお付き合いから始まります。「結婚後は堅実に貯金をしていきたい」なんて話をしていた相手が、お付き合いが進むにつれ、「将来のために」「二人の資産形成のために」という言葉を織り交ぜながら、投資の話を持ちかけてくる。これが最大の要注意サインです。
▼ SNS既読無視型 私の友人が実際に経験した手口なのですが、これが本当に巧妙です。LINEの既読機能を悪用して、相手の心理を巧みに操ってくるんです。最初は丁寧に返信してくれていた相手が、突然既読無視を始める。不安になって連絡すると、「仕事が忙しくて...」と言い訳をしながら、実は金銭的な問題を抱えているという話に持っていく。このパターンは特に30代の女性がターゲットになりやすいので要注意です。
▼ ステルス型 SNSのストーリー機能を使って、裕福な生活を演出する手口です。実は、投稿される写真や動画の多くが他人のものの使い回し。でも、毎日のように投稿される様子を見ていると、つい本物だと思ってしまうんです。

性別による特徴的な手口
婚活詐欺の手口は、性別によって特徴が異なります。私が取材してきた中で、特に多かったパターンをご紹介します。
男性詐欺師のケース
「医師です」「外資系企業の役員です」
婚活アプリでよく見かけるこんなプロフィール。確かに魅力的ですよね。でも、ここに大きな落とし穴が潜んでいます。
男性詐欺師の特徴は、徹底的な「ステータスの誇張」です。例えば、年収は実際の3倍以上を申告することが多く、職業も医師や経営者、外資系企業役員など、特に女性が憧れを抱きやすい職業を装います。
さらに要注意なのが、その演技力の高さ。高級レストランでのデート、ブランド品の話題、海外旅行の経験談など、まるで本物の高収入エリートのような振る舞いを見せてきます。実際、友人の一人は、「本当に医師だと思い込んでいた」と言っていました。
デートを重ねるごとに、少しずつ将来の約束を具体的に語ってくる。「来年の春に結婚して、この街に新居を構えよう」「子どもは2人欲しいね」など、まるで本当に結婚を考えているかのように話を進めていくのです。
女性詐欺師のケース
女性の詐欺師の場合、アプローチが少し異なります。多くの場合、年齢を実際より5-7歳若く偽り、「客室乗務員」や「看護師」など、男性が好意を抱きやすい職業を装うことが特徴です。
特に巧妙なのが、心理的な距離の詰め方。手作り弁当を持ってきたり、些細な体調の変化を気遣ったり...。そんな小さな気遣いの積み重ねで、相手の心を掴んでいくんです。
ある被害者の男性は言っていました。「最初は本当に、運命の人に出会えたと思った」と。確かに、親身になってくれる存在は心強いものです。でも、それが演技だったとしたら?この見極めが、実は最も難しいポイントなのです。
3. 婚活アプリ別の要注意ポイント
婚活アプリは、出会いのチャンスを広げてくれる素晴らしいツールです。でも同時に、詐欺師たちにとっても格好のハンティング場所になっているのが現状。私自身、いくつものアプリを使ってきた経験から、各アプリの特徴的な危険信号をお伝えします。
アプリ別の特徴と対策のポイント
▼ Pairs(ペアーズ)の場合 このアプリで最も警戒すべきは、なりすまし被害です。会員数が多いぶん、詐欺師も紛れ込みやすい環境にあります。特に「いいね」の数が異常に多いプロフィールには要注意。本人確認書類の提示を求めることを、最初のメッセージでさりげなく確認するのがおすすめです。
▼ with(ウィズ)の場合 withで特徴的なのが投資詐欺の多さ。「年収が高い」とアピールしている男性から、突然投資の話が持ちかけられるケースが目立ちます。投資の話題が出たら、それはもう危険信号。即座に会話を打ち切ることをお勧めします。
▼ ゼクシィ縁結びの場合 結婚を前提としたマッチングを謳うこのアプリでは、既婚者の潜入が問題になっています。「仕事が忙しくて平日は会えない」「休日も不定期」という人には特に注意が必要。可能であれば、勤務先への在籍確認をさりげなく行うのもよいでしょう。
4. 実例から学ぶ!被害者の体験談
実際の体験談から学ぶことは多いものです。これから紹介する事例は、私の周りで実際にあった話です。「まさか自分が...」と思わないために、ぜひ参考にしてください。
Case1:投資詐欺に発展したAさんのケース
「最初は、こんなに素敵な人と出会えて幸せだと思っていました...」
Aさん(32歳・会社員)は、婚活アプリで知り合った外資系企業勤務の男性に、将来への大きな期待を抱いていました。デートを重ねるごとに、その思いは強くなっていったといいます。
「彼は、私の仕事の愚痴もしっかり聞いてくれて、将来の夢も語り合える、理想的な人でした。休日は美術館に連れて行ってくれたり、話題のレストランを予約してくれたり。『この人となら、素敵な家庭が築けるかも』って、本気で思っていたんです」
しかし、交際3ヶ月目を過ぎたあたりから、様子が変わり始めます。
「『一緒に将来の資産を築いていこう』って。最初は投資の話をされても冷静に判断できていたんです。でも、『結婚後の生活のため』『二人の将来のため』って言われると...気付いたら500万円も投資してしまっていました」
その後、男性との連絡は途絶え、投資金は戻ってくることはありませんでした。
「後から気付いたんです。美術館やレストランの話も、ネットの情報の受け売りだったんじゃないかって。もっとしっかり見極めるべきでした」
Case2:複数の被害者を出したBさんのケース
Bさん(35歳・公務員)の事例は、より深刻なものでした。
「医師という肩書に、すっかり信用してしまったんです。確かに、医療の専門用語も自然に使えていたし、病院の仕組みについても詳しく説明してくれました」
交際期間は約半年。その間、実家の病院の建て替え費用という名目で、計1000万円を貸し出すことになりました。
「『信じてくれないの?』って言われると、なんだか申し訳なくて...。でも警察に相談してみたら、同じ手口で他に5人も被害に遭っていたんです。専門用語も、ネットで調べれば出てくる程度のものだったって...」
このケースで注目すべきは、以下のポイントです:
- 信用させるための「情報収集」が徹底していた
- 複数の被害者を同時に進行させていた
- 感情に訴えかけて、疑いを持たせないようにしていた
5. 見抜き方と具体的な対策
では、どうすれば詐欺を見抜くことができるのでしょうか?私自身の経験と、多くの方々の体験をもとに、具体的な対策をご紹介します。
婚活詐欺の前兆を見抜くために
最も重要なのは、「違和感」を軽視しないこと。私たちは往々にして、好意を持った相手の怪しい部分を見て見ぬふりしてしまいがちです。
例えば、こんな場面はありませんか?
「休日は趣味の写真撮影をしているんです」という相手に、その写真を見せてもらおうとすると、「スマホを機種変更したばかりで...」と言い訳をする。あるいは、仕事の話を具体的に聞こうとすると、「機密事項が多くて」と濁す。
一つ一つは些細なことかもしれません。でも、こういった「ズレ」が積み重なっていくのは、実は大きな警告サインなのです。
実践的な防衛策
具体的な対策として、まず「すぐにできること」から始めましょう。
- 身分証明書の確認 初対面の時に「お互いの身分証を見せ合いませんか?」と提案するのです。真面目な人なら、むしろ好印象を持ってくれるはずです。
- SNSのチェック これは基本中の基本。ただし、アカウントがあるからといって安心は禁物。投稿の一貫性や、友人とのやり取りなど、細かいところまでチェックしましょう。
- 共通の知人を作る 「友達と一緒に食事でも行きませんか?」という提案は、相手の本性を見抜く絶好の機会です。断られた場合は、要注意。
要注意!危険信号チェックリスト
私が実際の婚活で気をつけている「危険信号」をご紹介します。一つ一つは些細なことに見えるかもしれません。でも、これらが重なり始めたら要注意。今一度、お相手との関係を見直してみましょう。
- 初対面から結婚を強調する 実は、誠実な人ほど結婚という言葉を軽々しく使いません。「運命の出会い」を強調する人には注意が必要です。
- 個人情報の提示を避ける 「プライバシーを守りたい」というのはもっともな理由に聞こえます。でも、基本的な身分証明さえ見せたがらないのは不自然です。
- SNSでの発信が極端に少ない 現代では、ある程度のSNSの痕跡があって当然。まったく見つからないのは、それ自体が不自然かもしれません。
6. 被害に遭ってしまったら

もし不幸にも被害に遭ってしまった場合、決して一人で抱え込まないでください。恥ずかしさから誰にも相談できず、問題を深刻化させてしまうケースを何度も見てきました。
すぐに取るべき3つの行動
まず、冷静に以下の手順を踏んでください。
1. 証拠を残す 「後で話し合って解決しよう」という言葉に希望を持っても、それは残念ながら期待できません。まずは以下の証拠を確実に保全しましょう。
- LINEやメールのやり取り(スクリーンショット)
- 通話履歴
- 振込記録
- デート時の写真や領収書
2. 関係機関への相談 警察への被害届の提出は、もちろん大切です。でも、それ以上に重要なのが消費者生活センターへの相談。金銭的な被害の回復に向けて、具体的なアドバイスをもらえます。
3. 二次被害の防止 残念ながら、一度被害に遭った人を狙って、新たな詐欺が行われることもあります。すぐに以下の対策を:
- 相手のSNSアカウントをブロック
- 婚活サイトの運営会社への報告
- クレジットカードの利用停止(必要な場合)
7. まとめ:安全な婚活のための7つのルール
これまでの内容を踏まえて、私なりの「安全な婚活のための7つのルール」をまとめてみました。
- 相手の身元確認は必須 怪しいと思ったら、勇気を出して確認を求めましょう。
- SNSでの素性確認を徹底 過去の投稿まで、できる限りチェックを。
- 金銭の貸し借りは絶対NG これは例外なく守るべきルールです。
- 投資や資産形成の話には警戒 「一緒に将来を」という甘い言葉に要注意。
- 共通の知人を作る 友人を交えた食事会は、相手を知る良い機会に。
- 焦らず時間をかけて 結婚を急がせる言葉には、特に注意が必要です。
- 不安は即相談 一人で抱え込まず、周りに相談を。
最後に:幸せな結婚のために
ここまで婚活詐欺の対策について詳しく書いてきましたが、決して婚活自体を否定的に捉えないでいただきたいと思います。
確かに危険は存在します。でも、適切な注意を払いながら進めれば、婚活は素晴らしい出会いのチャンス。焦らず、慎重に、でも前向きに。きっと、あなたにぴったりの方との出会いが待っているはずです。